サイコロの出る目の確率は 1/6 ですが、数字上の理論値なんです。日本で普通に出回っているサイコロはそれぞれの面に目の数だけ穴が掘ってあります。そのため重さの差が生まれ重心がずれるので、全ての面が同じ確率で均一に出るということはないのです。実際に 8mm 四方のサイコロでそれぞれのくぼみがどれだけ彫られているか計算したところ 1 は 8.9mg、2 は2.1mg、3 は3.5mg、4 は3.8mg、5 は8.4mg、6 は7.9mgでした。ここで大事になってくるのがサイコロのそれぞれの表と裏の面の重さの差です。1 と 6 は 0.3mg、2 と 5 は 6.3mg、3 と 4 は 1.0mgでした。表と裏の面の重さの差が大きいほど重心がずれていることになり、重い方の面が下、軽い方の面が上になりやすいのです。よって重さの差が最も大きいものが 2 と 5 であることから、最も上を向きやすいのは 5 ということになります。おおざっぱにまとめてしまえば、サイコロもわずかながらではあるけど起き上がりこぼしのようになっていると言うわけです。実際に 1 万個のサイコロを同時に振ったところ、出た目数が多かった順に 1(1783個)、5(1698個)、4(1677個)、3(1633個)、6(1617個)、2(1592個、各平均は1666個) という結果でした。データ上では 5→1→4→3→6→2 の順なのですが…。これは 5 が出る確率が 16.72% であるのに対し、2 が出る確率が 16.61% とわずかであるからです。 |